鹿児島県での教育講演が埼玉で書籍の絶版にまで至っている「元校長講演問題」のその後。——「解同」と草加市との「交渉」で実践書の改訂版出版が判明して紛糾、元校長が実践書を絶版にしたと『解放新聞・埼玉』が書いています。
「元校長講演問題」のその後を『解放新聞・埼玉』の記事を参考に見ます。(管理人)
※※ ※※ 資料「元校長講演問題」(2) ※※ ※※
◆「解同」の草加市「交渉」(『解放新聞・埼玉』09年3月1日号 )
〈見出し〉 元校長に怒り噴出 鹿児島龍郷町差別講演事件
約束無視し改訂版出版
実践書「教えて考えさせる授業の理論と展開」絶版に
部落解放同盟埼玉県連は2月9日、草加市文化会館で鹿児島県龍郷町差別講演事件について草加市と交渉を持った。交渉では、木下博信市長や宮嶋昭雄教育長が事件に対する見解を示したが、K元校長が差別講演のもとになった実践書の改訂版を事前の協議もなく出版したことが判明し、交渉が紛糾した。
交渉には、部落解放同盟のほか埼玉県人権教育研究協議会など52人が参加した。
差別事件についての見解を求められた木下草加市長は、「大変申し訳ない。悔しい思いでいっばいだ」と述べたうえで、「人権教育が形式化しているのではないか。建て前でやっていればいいと思っているのではないか。深い人間の心にかかわる問題として学ばなければならない」と述べた。宮嶋教育長は「今日は人権同和教育のスタートになるようにしたい。 K 校長だけの責任ではなく、私自身も責任を負わなければならない」と述べ、「市内33校で研究会を組織し小中学校の人権同和教育のガイドラインを作成する」と今後の取り組みを述べた。
*県人権教育課、武正和己課長(09年1月30日、埼玉会館会議室で大野春夫県民生活部副部長、小林勝人権推進課長ら同席)
「元校長という指導する立場にあった者の発言として大変重く、厳粛に受けとめている」「小学校では『えた・ひにん』は教えない」(講演のような授業がおこなわれた場合)「偏見を植えつける授業になる」「同和地区の生徒がいたらとんでもないことになった」
(K元校長の「同和問題の研修会に出席したが、実感として差別がわからなかった」との発言はこれまでの研修が認識を変えるものになっていなかったとして研修のあり方の総括を求められたのに対して)「同和教育は、教科を問わずどの学校でも徹底してやってきた。差別がわからないという校長がいることは大変残念だ。痛みを共有できる研修が必要だった」
(「差別の現実から学ぶ」原則を軽視せず、地元の当事者から学ぶ研修方法を提起されたのに対して)「差別を受けた人の痛みがわかり、差別が共感的に理解できるような研修が必要だ」「地域の人の講演や講話を取り入れる方法は重要だと考えている」「校長研修会を開いてこの事件をとりあげる」
*草加市・宮嶋昭雄教育長(09年1月29日、北本市文化センターでの北足立地区教育委員会交渉ー14市1町の教育長と人権担当職員34人出席ーで)
「元校長が引き起こした事件であり、教育委員会としても責任を痛感している。このような授業をやれば結果として被差別部落への偏見を助長することになり、看過できないものとして深刻に受け止めている」
*児玉地区教育委員会交渉(09年2月3日、神川町就業改善センター、1市3町の教育長と関係職員が出席)
何が問題と考えるかの質問に十分な答えがなく、解放同盟から「言葉の問題ではない。授業の結果、生徒に偏見を植えつけることになってしまうことが問題だ」と指摘。研修は「実感として受け入れられるものが重要」などの回答で「そのために具体的にどんな研修が必要か」質問。教委側から「当事者の話を聞くなど差別の現実、実態に学ぶ研修が必要」と回答。神川を除く3市町では同和地区住民と学校管理職との懇談会が持たれていない」と指摘、差別の実態に学ぶ懇談会の実施を要請。
*深谷市教育長(09年2月4日、大里コミュニティセンターでの大里地区教育委員会交渉ー2市1町の教育長と関係職員が出席ーで)
「元校長の差別意識が根本原因と考えるが、教育現場では絶対にあってはならないこと。管理職研修では毎回反省会を持って研修に当たっている。差別の現実を踏まえた研修が必要だ」。(熊谷市・深谷市に管理職や教職員の地元との人権教育懇談会の実施を要求。寄居は既におこなっている)
*東松山市教育長(09年2月12日、滑川町コミュニティセンターでの比企地区教育委員会交渉ー1市4町1村の教育長と関係職員が出席ーで)
「深刻で重大な問題」(「解同」側「一部に言葉の問題のように考えている者がいるが、言葉の問題ではない。授業の結果、生徒に偏見を植えつけることになってしまうことが問題だ」)教委側「当事者の話を聞くなど差別の現実、実態に学ぶ研修が必要」と回答。(「解同」側は「地区住民と直接対話する懇談会が必要」と強調)